結婚=入籍、というイメージが強い中で、近年注目されているのが「事実婚」というスタイル。法律上の婚姻届は出さないものの、パートナーとして一緒に暮らし、生活を共にする形です。
「なぜ籍を入れないの?」「入籍しないと困ることってある?」と、気になる方も多いはず。
事実婚を選ぶ理由と、入籍しないことで得られるメリット・気をつけたいデメリットをわかりやすく解説します。
事実婚を選ぶ人が増えている理由とは?
事実婚は、以前は「特殊なケース」と見られることが多かったものの、今ではライフスタイルの多様化とともに、自然な選択肢のひとつとして認識されつつあります。
主な理由としては、以下のような背景があるようです。
・自分の名字を変えたくない
・法的な結婚に縛られず、対等な関係でいたい
・再婚で子どもがいるため、戸籍を複雑にしたくない
・信仰や価値観の違いから、形式的な結婚を望まない
・社会的なパートナーとしての意思を重視したい
【メリット編】入籍しないことで得られる自由と安心
1. 姓を変えなくていい
日本の法律では結婚すると夫婦どちらかの姓に統一する必要がありますが、事実婚ではそれぞれが元の姓のままでいられます。
2. 柔軟な関係性が築ける
法律に縛られないぶん、「一緒にいたいから一緒にいる」というシンプルな思いで関係を継続できます。
3. 再婚や家族関係の配慮ができる
前の配偶者との間に子どもがいるケースや、親族関係の整理が難しい場合など、戸籍上の結びつきが不要なときに有効です。
4. 社会制度の変化に合わせやすい
自治体によっては「パートナーシップ制度」など、事実婚や同性カップルを支援する制度も整いつつあり、活用できる場面が広がっています。
【デメリット編】事実婚で注意したいこと
1. 相続の権利がない
法律婚と違い、事実婚のパートナーには法定相続権がありません。遺言書などでの明記が必要です。
2. 医療や介護の場面で不便があることも
病院での付き添いや意思決定に関して、「家族」と認められず、同意書にサインできないケースがあります。
3. 住民票や社会保険の手続きがやや複雑
事実婚を反映させるためには、同居の届け出や世帯主の設定などの配慮が必要です。また、扶養関係の申請にも工夫が必要な場合があります。
4. 周囲からの理解を得にくい
まだまだ「入籍していない=正式な関係ではない」と見られることがあり、説明や対応に気をつかう場面も少なくありません。