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同性婚を認めないのは憲法違反!東京高裁が出した結論は「違憲」

2025/03/06ウェディングについて

同性婚を認めないことは憲法に反する――。
東京高等裁判所はそのような判断を下しました。
2024年3月の札幌高等裁判所の判決よりも踏み込んだ形で、異性婚と同等の法的整備を求める内容となっており、政治に対して強い影響を与えるものとなりました。
(※2024年10月31日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)

「違憲」の言葉に希望を込めて-歴史的判決が示した意味

「違憲という言葉を聞くことができて、生きていてよかった」。
原告の小川葉子さん(61)は、判決後の記者会見で笑顔を見せました。
同性同士でも、法的に配偶者としての関係を築けることは「個人の人格的存在と深く結びついた重要な法的利益」であると判決は指摘しました。
そして、「配偶者」という言葉を繰り返し用いることで、同性カップルの権利を保障する意義を強調しました。
小川さんは、大江千束さん(64)と約30年間パートナーとして歩んできました。
「これまで大江のことを『配偶者』ではなく『家族』と言い換えてきました。
でも、今回の判決を受けて、配偶者として認められる可能性があるのだと希望を持てました」と語ります。
判決では、国会に一定の裁量があるとしながらも、同性カップルの関係を法的に保護しないことについて「合理的な根拠がない」と明確に述べられました。
弁護団の共同代表である寺原真希子さんは、「この判決は極めて画期的で、歴史的なものです。
国会への強いメッセージとなるでしょう」とコメントしました。

同性婚の法整備に向けた課題と判決の意義

判決は、立法のあり方として次の2つの方法を示しました。
(1)民法や戸籍法を改正し、同性婚を認める
(2)婚姻とは別の新たな法制度を設ける
また、相続などの具体例を挙げながら、制度の構築にあたっては「個人の尊重」や「法の下の平等」という憲法の基本原則に沿う必要があると強調しました。
さらに、新たな法制度を設ける場合には、それが「新たな差別や不利益」につながらないよう注意を促す内容となりました。
弁護団の寺原真希子弁護士は、「この判決は、異性間の婚姻と同等の制度を求めたものといえる」と述べています。
一方、慎重な立場をとる意見としては、生殖機能の違いを理由に、異性間の婚姻のみを法的に保障すべきだという主張もあります。
しかし、判決では「子どもの生殖は婚姻の不可欠な目的ではない」と明確に指摘しました。
同性婚を認めたとしても、異性間の夫婦の法的保護が損なわれるわけではなく、同性カップルが子どもを育てるケースもある――。
判決はこうした点に言及し、同性婚の法整備が社会に与える影響を慎重に考慮する姿勢を示しました。

「色々な家族がいる」心に届いた判決の言葉

原告の小野春さんは、「胸がいっぱいです」と感慨深げに語りました。
パートナーの西川麻実さんとともに、お互いが過去に男性と結婚していたときにもうけた3人の子どもを育ててきました。
判決理由の読み上げで、同性カップルも子どもを養育していることに言及された瞬間、小野さんは裁判長と目が合ったように感じたといいます。
「ああ、私たちの思いが届いていたんだな。さまざまな家族の形がすでに存在していると、はっきり聞けて本当にうれしかった」と語りました。
会見の場には、同じ原告として共に闘いながら、2021年に亡くなった佐藤郁夫さん(享年61)の写真が飾られていました。
小野さんは涙で言葉を詰まらせながら、「一緒に判決を聞きたかったです。すべての人が自分の幸せを当たり前に受け止められるよう、一日も早く法律が整備されてほしい」と訴えました。
京都産業大学の渡辺泰彦教授(家族法)は、「今回の判決は、社会の現状を正面から見つめた上で違憲との結論を導いており、非常に説得力があります。一審判決が示した『違憲状態』という判断を覆し、東京高裁が明確に違憲と断じたことの影響は大きい。今後の同性婚訴訟の流れを大きく左右する判決となるでしょう」とコメントしました。

首相の変化、著書での「早急な法制化」から沈黙へ

東京高等裁判所の判決は、一連の同性婚訴訟の中で、石破政権発足後初めての判決となりました。
「基本的人権の保障という観点から考えると、権利が阻害されている国民がいる以上、最高裁の判断を待つまでもなく、早急な法整備が必要ではないか」。
石破茂首相は、自民党総裁選に先立ち、2024年8月に出版した著書『保守政治家 わが政策、わが天命』の中で、同性婚の法制化の必要性についてこのように記しました。
また、憲法24条1項の「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立する」という規定について、「両性」を「当事者」と解釈すべきではないかと提起し、「これは個人の好き嫌いや政治的立場で判断すべき問題ではない」と強調しました。
さらに、2024年9月の総裁選中にはTBSラジオの番組で「同性婚を認めないことで不利益を受けている人がいるならば、救済の道を考えるべきだ」とも発言しました。
しかし、首相就任後はこれまでの持論を封印。2024年10月8日の参議院本会議では、「国民一人一人の家族観とも密接に関わる問題であり、国民各層の意見や国会での議論の状況、同性婚に関する訴訟の動向を慎重に見守る必要がある」と、従来の政府答弁を踏襲する姿勢を示しました。

石破政権の課題、同性婚実現への道は未知数

石破首相の政権基盤は脆弱であり、党内で意見が分かれる政策を実現する手腕は未知数です。
さらに、衆議院選挙で与党が過半数を失ったことで、大きな課題に取り組む政治的な余力も低下しました。
2024年10月27日のラジオ番組では、「十分に議論を尽くさなければ答えは出ません。我が党は、総裁がこう言うから従うという政党ではありません」と述べ、政策決定の難しさを率直に語りました。
これまでの地裁・高裁の判決では、違憲と判断されたケースが4件、違憲状態が3件、合憲とされたのは1件のみとなっています。
一般社団法人「Marriage For All Japan(マリフォー)」の松中権理事は、「石破首相は同性婚賛成の立場を明確にした初めての首相です。政治が不安定な状況であっても、人権の問題が後回しにされることはあってはなりません」と指摘しました。

世界に広がる同性婚の法制化、アジアでも前進、日本はG7で唯一未整備

国連の女性差別撤廃委員会は、29日に公表した日本政府への勧告を含む最終見解の中で、同性婚を認めるよう求めました。
世界では、2001年にオランダで初めて同性婚が合法化されました。
公益社団法人「Marriage For All Japan―結婚の自由をすべての人に(マリフォー)」によると、2023年10月時点で、同性婚を認めている国と地域は37に上ります。
同性婚の法制化は西欧や南北アメリカで進んできましたが、近年ではアジアにも広がりつつあります。
ロイター通信によれば、2019年に台湾がアジアで初めて同性婚を合法化し、2023年にはネパールの最高裁が同性婚を認めるよう命じました。
さらに、2024年にはタイで同性婚が法制化され、翌年1月に施行される予定です。
一方、日本は主要7カ国(G7)の中で唯一、同性カップルに対する法的保障がありません。
カナダでは2005年に同性婚が合法化され、米国では2015年の連邦最高裁判決で認められた後、2022年には同性婚の権利を保障する法律が成立しました。