素敵なポロポーズを受けて幸せいっぱいのウェディング。2人の愛は永遠に続く・・・プロポーズを受けた当初はみんなこのように感じますね。
でもだんだんすれ違いが増え、子育てを終えた熟年夫婦に増えているのが熟年離婚です。
若者だけにとどまらず、熟年世代も結婚観に変化の兆しが見えてきています。
2022年の離婚件数のうち、同居期間が20年以上におよぶ「熟年離婚」が全体の23.5%を占め、過去最多となりました。
全体の離婚数が減少傾向にある中でも、中高年層の離婚は依然として高い水準を維持しています。
寿命が延び「人生100年時代」と呼ばれる今、結婚に対する考え方にも変化が見られるようです。
実際の経験者の声から、その背景を探っていきましょう。
(※2025年1月19日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)
それはすれ違いから始まった
東北地方に住むある53歳の男性は、些細な口論をきっかけに、妻と2人の子どもに家を出られてしまいました。
妻はその後、「モラハラを受けた」として離婚調停を申し立てました。
夫婦関係が崩れ始めたのは約5年前。
妻が実家との距離を縮め、精神的にも家庭から離れていったことが背景にありました。
現在は、離婚に向けた条件交渉が進められており、男性は家のローンを支払いながら、婚費や養育費として毎月約30万円を負担しています。
法律上、年金や財産分与では妻側に有利な制度もあり、男性は「早く決着をつけたい」と語ります。
別居は現実的な選択
東京都内に暮らすある60歳の女性は、夫の裏切りに直面し、離婚ではなく別居を選びました。
夫が「パパ活」を続けていると知ったのは、探偵に依頼した報告書がきっかけです。
夫は娘より年下の女性と親しくしており、指摘しても関係をやめようとはしませんでした。
経済的な条件を考慮した結果、女性は離婚を見送り、自宅から夫を出す形での別居を決意しました。
別居後は夫の婚費と役員報酬で生活が安定し、母親の遺産相続も後押しとなりました。今は自分らしい時間を取り戻し、穏やかな日々を送っています。
慰謝料だけにこだわらず全体で判断を
日原聡一郎弁護士によると、離婚訴訟で認められるのは不貞やDV、モラハラなど、重大な理由がある場合です。
慰謝料の相場は100万~300万円程度ですが、証拠の確保には探偵費用など高額な出費がかかることもあります。
そのため、慰謝料だけに固執するよりも、財産分与や年金分割といった全体の条件を見て判断する方が現実的です。
最近は、LINEのメッセージや写真も有力な証拠となっています。
若者・熟年共に結婚観が変化
2024年8月に熟年離婚の割合が過去最高となったことを報じたところ、多くの反響が寄せられました。
取材を進める中で、長年連れ添った夫婦それぞれに深い物語があることを実感しました。
特に印象的だったのは、経済的な観点が離婚の決断に大きく影響している点です。
「得か損か」を見極めようとする駆け引きも垣間見えました。
2023年の司法統計では、離婚理由の第1位は「性格の不一致」、続いて「モラハラ」「異性関係」が上位を占めています。