
運動会は、子どもの成長を感じられる大切な学校行事の一つです。
近年は半日開催や暑さ対策など、その姿も変化しています。
東京都大田区立多摩川小学校の取り組みから、今の時代だからこそ残したい運動会の思い出を考えます。
(※2025年6月22日の朝日新聞の記事を参考にしています)
半日開催でも変わらない運動会の魅力
東京都大田区立多摩川小学校では6月1日、576人の児童が参加する運動会が行われました。
かつては朝から午後まで行う運動会が一般的でしたが、コロナ禍をきっかけに小学校では半日開催が広がっています。
同校も練習期間を3週間とし、種目を限定しています。
一方、昨年からは玉入れや棒引きなどの団体競技を復活させました。
子どもたちからも団体競技を望む声があったそうです。
運動会が短くなっても、友達と力を合わせたり応援したりする経験までなくす必要はないのでしょう。
保護者にとっても、一生懸命走ったり友達と協力したりする姿は、普段とは違う成長を写真に残せる瞬間だと感じます。
子ども自身がつくり上げた6年生の演技
多摩川小学校では2021年、運動会の目的について職員会議で話し合い、「全校児童が一堂に会し、子ども同士で見合い、励ますこと」を重視すると決めました。
そこには「主役は児童」という考えがあります。
6年生の表現種目「brIght~全員 協力 笑顔」でも、その姿勢が表れていました。
フラッグ体操や組み体操、ダンスを行う方針は教員が示しましたが、隊形や技、振り付けなどは各学級3人ずつの運動会実行委員が考えました。
最後に創立70周年記念のオレンジ色のTシャツを脱いで振る演出も、子どもたちの発案です。
こうした背景を知ると、運動会の記念写真も単なる行事の一枚ではなく、子どもが自分で考えて挑戦した成長記録として見返せそうです。
暑さと安全を考えた運動会へ
近年は熱中症対策も欠かせません。
多摩川小学校では児童全員が入れるように校庭へテントを設置し、近隣校とも貸し借りしています。
当日は気温が24度でも暑さ指数が「警戒」レベルの25を超え、校長から水分補給を促すアナウンスがありました。
東京学芸大学の鈴木明哲教授によると、以前は秋が主流だった運動会も、近年は春開催が増えています。
残暑の厳しい9月に練習すると熱中症のリスクがあることも理由の一つです。
運動会という伝統を守ること以上に、子どもが安全に参加できる形へ変えていくことが大切なのだと感じます。
写真と一緒に残したい成長の物語
競技内容にも変化があります。
けがが問題となった組み体操は2016年以降、廃止や縮小が進み、代わってダンスなどの表現種目が増えています。
半日開催や種目の変化を見ると、昔の運動会とは違うと寂しく感じる人もいるかもしれません。
しかし、時代に合わせて方法が変わっても、子どもが仲間と協力し、練習した成果を披露する価値は残っています。
運動会のキッズフォトを後から見返すときには、その日の笑顔だけでなく、「自分たちで振り付けを考えた」「友達と一緒に頑張った」といった出来事も家族で語り継ぎたいものです。
写真とともにその背景まで覚えておくことで、一枚の写真がより大切な成長記録になるのではないでしょうか。

